女「私の彼氏はアサヒスーパードライが大好き」男「ｱｻﾋｽｰﾊﾟｰﾄﾞﾗｧｲ」

男「……」ｶﾞﾁｬｯ

女「あ、お帰りー」

女「コインランドリーの洗濯物、もう乾いてた？」

男「ﾄﾞﾗｧｲ」

女「乾いてたんだ。どのくらい？」

男「ｽｰﾊﾟｰﾄﾞﾗｧｲ」

女「そんなに乾いてたんだ。よかったー」

男「……」ｺｸｯ

女「チャンネルはどれがいい？」

男「ｱｻﾋ」

女「男君、テレ朝好きだよねー」ﾋﾟｯ

男「ﾄﾞﾗｧ」

女「あ、ドラえもんなんだ。私も好きー」

女「他に好きなアニメってあるの？」

男「ﾊﾟｰ」

女「あ、パーマンも好きなんだ。コピーロボット欲しいよねー」

男「……」ｺｸｯ

女「好きなポケモンは？」

男「ﾗｧｲ」

女「あ、ライチュウなんだ！」

女「ちょっとモノマネしてみてよ」

男「ﾗｧｲﾗｧｲﾗｧｲ」

女「やだ、超似てるー！」

女「ってあら！？　冷蔵庫の中、ビールしか入ってないや……」

女「晩ご飯買いに行かなきゃ……コンビニに行こうかな」

男「ｽｰﾊﾟｰ」

女「ああ、スーパーの方がいいかな？　安いし、品ぞろえ豊富だしね」

男「……」ｺｸｯ

女「ジャーンケーン……」

女（グー！）ｻｯ

男「ﾊﾟｰ」ｻｯ

女「あ、負けちゃったー……」

女「行きたくなーい！　めんどくさーい！　やだやだやだー！」

男「……」

女「もう夕方だし、こういうのってやっぱり男が行くべきでしょー！」

男「ﾋｽ」

女「ヒステリー女で悪かったわね！」

女「なに食べよっか？」

男「ﾋ」

女「火を使った食べ物がいい？　じゃあ、炒め物でもやろうかな」

女「そういえば、このところ体の調子が悪いっていってたよね」

男「ｲ」

女「胃が悪いんだ。だったら肉より野菜炒めにしよっか」

女「砂糖と塩……あとなにを買っておこうかなぁ？」

男「ｽ」

女「そういえば酢も切らしてたっけ！　買っておこう！」

女「たくさん買ったねー！　早く車に持っていこう！」

男「ﾗｧｲ」

女「ライチュウのモノマネはもういいって」

不良「おい、そこのカップル！　ちょっと待ちな！」

女「あっ！」

男「ｱ」

女「だ、誰か！」

不良「ここら辺はこの時間、あまり人通りがねえんだ。助けなんかやってこねえよ」

不良「どうだ、俺は頭いいだろ！？」

男「ﾊﾟｰ」

不良「な、なんだと！？」

男「ﾊﾟｰ」

不良「俺の頭がパーだとォォォォォ！？」

男「ｻ」ｻｯ

不良「このっ、このっ、このぉっ！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝｯ

男「ｽｰ」ｽｰｯ

不良「あ、当たんねえ……！」ｾﾞｪｾﾞｪ

男「ﾊﾟｰ」ｼｭｯ

ドゴッ！

不良「うげえっ……！」

女「やったぁ！　掌底打ちが決まったわ！」

不良「どうしたら、そんなに強くなれるんだ……！？」

男「ｱｻﾋ」

不良「そ、そうか……朝日を見られるぐらい早起きして、規則正しい生活をしろってことか……」

不良「他には？」

男「ｽｰﾊﾟｰﾄﾞﾗｧｲ」

不良「なるほど……いかなるピンチにも動じない超乾いた心を持てってことか……」

不良「ありがとな……じゃあな！」ﾀﾀﾀｯ

男「ｧｲ」

女「え？」

男「ｧｲ」ｷﾞｭｯ

女「そっか……愛の力で、不良を撃退できたんだね……」

女「私も愛してるよ」ｷﾞｭｯ

男「ｽｰﾊﾟｰ」

女「ほら見て、夕焼けがキレイ！」

男「ｽｰﾊﾟｰ」

女「ホント、スーパーキレイだよねー！」

男「ｱｻﾋ」

女「だけど、男君は朝日の方が好きなんだ。いつも早起きだもんねー」

女「ただいまー」

男「……」

女「じゃあ、二人でビール飲もうか。男君はなに飲む？」

男「ﾓﾙﾂ」

女「え！？」

おわり